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とにかく、俺達はようやく学校へ行くことが出来た。
先程サバイバルナイフを突きつけてきた女性執事は、門宮が最も信頼をしていて、多くの側近を纏めるリーダー的な存在らしい。
うーむ……どうやら俺は余計な事をしてしまったらしい。
門宮いわく、あの女性執事は地味にプライドが高いらしく、強い者に挑戦を仕掛けてくるとか……やめて欲しい。
そうこうしているうちに、学校へとやって来た俺達は別れて教室へと向かった。
柊は相も変わらず、俺の服の裾に掴まって歩を進めている。
歩きにくい事この上なしッ!
教室に入ると、三人の女子生徒が俺達の前にやって来た。
柊は完全に俺の後ろに隠れ、強く裾を掴んでくる。
一体何の用だ…俺は彼女達と面識はほとんど無いはず。
柊にしたって、面識があれば多少は打ち解けるはずだが……何なんだ?
「あのっ…神崎 椎名さんと門宮 雅さんと一緒に登校してきましたよねっ…!?」
「仲良いのかな…!?」
「えっと、お答え下さいっ!」
『した…が、たまたま出会っただけだ。あまり仲良くは無いし、それ程面識は無い』
この手の者達はあまり深入りしないのが定石だと思う。
柊には口を出さないように背に顔を付けさせ、俺は三人に謝った。
色々な意味を含ませた謝罪だ。
三人は肩を落として俺達から離れていった。
柊を背から離し、俺達も自席に向かう。
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