第十七話

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      一応柊に事情は説明しておく。   あの様子だと恐らく先程の三人は、神崎と門宮のファン…もしくは憧れているのだろう。 故に俺達が神崎と門宮と関わっている場合、質問責めもしくは事情聴取される……と言うのが推測できた。     柊も納得してくれたのか、無表情のまま数回頷いてくれた。 そしてピョンと椅子から立ち上がり、俺の膝上に乗ってきた。   ……これが口止めの見返りなのか?それともただ単に、座りたかっただけなのか? どちらにせよ、柊を退かしたら何されるか分からん……全生徒に。       「んー」   『背中を擦り付けるな。動物かお前は…?』   「……にゃーん…?」       疑問符で返されても、俺にどう返答して欲しいんだ? 生憎俺は読心術は使えないから、柊の思考は読み取れないぞ。         「みゅぅ…残念…なの」         ん…?口に出してないはずだが……読んだのか?   あからさまに嘘付いているようにそっぽを向くな。 柊は嘘を付けない性格と見た。               と に か く 、俺達はHRを始める鐘が鳴った故に自席に着いた。     いつものように、女性の担任がやって来た……のだが、俺の目が狂ったのかもしれん。   担任だと思われたが、実際全然違う人で、何よりも俺は今朝方お目にかかった人物だった。       柊を見ると、何故か眠そうな表情で目をしょぼしょぼとさせている。 ………少し、いやかなり母性本能を擽られた一瞬だった。     しかしそんな事より、目の前の教卓に居座る女性を見て、冷や汗全開の俺がいる。   それもその筈、目の前にいる女性は、門宮の家で俺にサバイバルナイフを突きつけてきた銃刀法違反を楽々無視した女性執事だったからだ。           ………あんた何者…?    
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