第十八話

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        それからと言うものの、俺達は遅れて教室に戻ったら桐生姫菜に怒られ、祐介には倍以上働かされ……   兎にも角にも、俺と柊は疲労困憊になるまで働かされた。       そして、無事に桜華祭が幕を閉じた。 最後に放送で、街の住民による最優秀出し物を発表された。   桜華高校始まって以来、初めての同票が出てしまったことも言われ……俺達の教室ともう一つ、どこかの教室だと伝えられた。                         そして更には、祐介が主催者となる打ち上げが行われる事にもなった。   だが、俺は打ち上げに行くような気分ではなく、祐介の誘いを断った。 柊も行く気は無いらしく、俺にずっとくっ付いて歩いている。     何だかもう面倒くさいので、女装したままマスターの居る喫茶店へと向かうことにした。 喫茶店に着いてから、女装は解けば良いだろう。その間、街の皆の反応を見て回ろうか。             「…むつきー、いこ…?」   『そうですね、行きましょう』       未だに敬語だが、これは女装を解くまで一応止めるつもりは無い。   そうそう、扇子は奪い返して再び袖にしまい込んださ。 あれは護身用の武器であり、マスターからの贈り物であるが故に無くすのはマズい。      
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