第十八話

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      「……そうですね。最近は何かと物騒ですし、久しぶりにアレ…やりましょうかねぇ…」       マスターは絶対、何をするのか教えてはくれない。最重要機密事項だとか言うが、実際には何をどうするのかは分からない。   だが、この街の情報を全て把握していて、分からない事は無いと言う噂もある。       「嫌だねぇ睦月君、いくら私でも完全に理解出来ないことだってあるよ?」   「そうですよ睦月君?人には人の深層心理は分からないんですよ?」         それなら何故、口にも出していない事が分かるのだろうか…? 読心術では――     「……顔に書いてあるのー…」   『なんですと…!?』       そこまで不思議に思っていたのか…参った、ここにいる三人にはかなわない。 さて、そろそろ目の包帯を外すとしてみようか。   俺は包帯に手を掛け、スルスルと解いていく。完全に包帯を取り払い、目をゆっくりと開いていった。   同時に、三人から驚きの声が聞こえた。     どうやら完治したようで、視界もキチンと広がって見える。これでようやく元の体に戻れたな。   しかし先程から妙に視線が痛い。視線の主は柊と瑞希さんとマスターなんだが…         「あらあら…これは大変ねぇ」   「まさか、こうなるとは想定外でしたね……不覚」     「うみゅ…むつきの目が蒼色…なのっ…!」           ちょっと待て最後、最後何て言った?俺の目が蒼色だと…?   瑞希さんから手鏡を渡され、自分の顔を反射させて見ると、確かに柊の言う通り俺の左目は蒼色に染まっていた。       「落下時に受けた全身のダメージと、頭部に受けた衝撃があまりにも強すぎて睦月君のDNAに何等かの異常を与えたのが一番有力……と言うよりも間違いないですね」     「黒と蒼のオッドアイ……これはこれで結構アリですねぇ」   「ふわぁ…ちょっとかっこいい…かもなの…」         別段気にはしないのだが……オッドアイだと妙な人物に思われるのか?    
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