第十八話

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      特に体に支障は出ていないし、オッドアイだからと言って気にはしない。 逆に、面白いじゃないか。   これならば、皆俺に構わないだろう。オッドアイだから、皆よりも違うと言われて引かれるだろう。     邪魔もされず、関われもされず、ゆっくりと過ごせるかもしれない。 柊や祐介辺りは気にせずに話し掛けてくるだろうが、それだけだな。   ……彼奴にも、見せてやりたかったな……         「そうだわ睦月君、あなたにお願いがあるのよ……久しぶりにお相手してくれるかしら…?」   『致し方ありません。瑞希さんは今日、あの日でしたね』     「すみませんが柊さんはここに居て、私のお手伝いをお願いできますか?」         瑞希さんの言う相手…とは、後で説明するとしよう。 俺は瑞希さんと一緒に喫茶店を出て、瑞希さんの酒屋へと向かった。   柊はマスターに言われ、渋りながらも喫茶店に残る。                             瑞希さんの酒屋へ到着すると、俺は奥へと瑞希さんと一緒に入っていく。     「さて…睦月君良いかしら?」   『構いませんよ。ただ、久しぶりなので加減は出来ないかもしれませんし……何よりも、瑞希さんが求めたら俺は応えるだけです』           瑞希さんはそれを聞いてから、座敷に布団を敷いてうつ伏せに寝る。 更に、着物の帯を解いて軽くはだけさせて着物を緩めた。 俺はその背に手を乗せ、背筋にそって何度もマッサージをしていく。   一応俺は瑞希さん専属のマッサージ師として着いている。 かなり前に一度、瑞希さんが肩こりが凄いからマッサージをしてほしいと言われ、マッサージを行った所……気に入られてしまったからだ。         「ぁ…流石…睦月君です…っ…!凄い気持ちいいで……んんっ…」   『根詰めたら駄目ですと言ったじゃないですか。全身の筋肉が若干固まってますよ?』       続いて、背中から手を離して瑞希さんの細くて綺麗な素足に手を掛け、手のひらと指で挟むようにしてマッサージを施していく。     このようにして、俺は瑞希さんをマッサージし続けた。 だが、瑞希さんのお願いはマッサージは二の次だ。  
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