第十八話

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        一通りマッサージが終わり、瑞希さんはゆっくりと起き上がった。   一応帯を外しているため、着物の前が完全に開けて肌が露出していた。 瑞希さんに背中を向け、自分の腕と手を軽くマッサージをする。       「んー、睦月君のマッサージは最高です。それで…本題なんですが……」   『えぇ、俺なんかの体で良ければ使って下さい。精一杯応えますから』         時刻は夕暮れ。 瑞希さんの酒屋は夕暮れ時には人の通りは皆無になる。 そして、瑞希さんは稀に自らの性欲が自我では抑えきれなくなるらしい。   どうも昔、瑞希さんは何かの薬品を研究していたらしく、その薬品が気化したのを手違いで吸い込んだら、そのような体質になった…との話だ。     瑞希さんと出会ってから数ヶ月の時にそれが発症し、俺は瑞希さんに襲われた。 その時まではギリギリ抑制出来たらしいが、俺が現れてからその抑制はもはや効かなくなったと伝えられた。     瑞希さんのように綺麗な人で内面も汚れが無いから、存外俺も嫌な気はしなかった。求められたから、応えた……それだけ。           「それじゃあ…睦月君…」   『はい、始めましょうか』       部屋の窓に暗幕を張り、明かりを薄い橙色まで暗くする。   今から起こす事は、瑞希さんの溢れかえる性欲を処理するための行為……互いに体を求め、快楽による性処理。      
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