第十八話

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      瑞希さんの腰がふわりと浮き、瑞希さんから濁った声が聞こえてきた。 だが、今この行為を止めると、瑞希さんは俺を監禁してでも性行為を働くだろう。     「ひぃっ…ぎ……っが…!」   『下…行きます』       左手と口で胸を愛撫するのは止めず、右手だけを瑞希さんの下腹部に沿って動かしていく。   脇から下へ指でなぞるように、ゆっくりとずらしていった。 瑞希さんは焦らすようなその行為に我慢出来なくなったのか、無理矢理体制をひっくり返して、俺が仰向けに寝転んでそこに馬乗りになる。         「睦月君が焦らすから…こちらから行かせて下さい…」   『瑞希さんのお好きにして下さい。俺は性欲処理の道具で――』       その言葉を遮るかのように、瑞希さんは俺に口付けを交わしてきた。 一瞬だけくっ付き、離れたら瑞希さんが口を開いた。     「それは違います…私だって、誰とでも行う訳ではありません。睦月君が私の最も理想に近い存在なのですよ…?優しく、相手に対する気配りも出来て……」   『それは光栄ですが、恐らくその考えは真実では無いでしょう。俺は優しくも無いし、自己中心的な人物ですから』         ありのままの俺を言ったつもりだった。だが、瑞希さんに「つもり」と言う物は通用しないのだった。   瑞希さんは俺の胸部に手を添え、覆い被さるように抱き締めてきた。       「嘘は駄目です。今日も嘘を付いて、相手の方を試したのですよね…?睦月君の瞳が全てを物語っています」       再び体を起こし、瑞希さんは避妊用の道具を俺のモノに使用。 更に自らの秘部を自分の指で固定し、俺のモノにゆっくりと差し込んでいく。   ぬるり――とした感触と、俺のモノが瑞希さんに包まれる感覚を感じる。 熱を帯びていて、全身が火照っていく現象に陥っていった。       俺のモノが完全に瑞希さんの秘部に埋まったら、瑞希さんは息を切らしながら俺の顔の両脇に手を付いた。   下を見れば瑞希さんと俺が性行為をしている真っ最中で、瑞希さんの豊かな胸が呼吸に比例して微弱に揺れている。     瑞希さんの顔は快楽によって紅潮、及びにだらしなく目がトロン…と垂れてしまっていた。    
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