第十八話

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        瑞希さんのその表情は、妖艶で万物を魅了してしまいそうな力を持っていた。 静止しているだけで瑞希さんは息を切らし、物足りなさそうな瞳で俺を見てくる。   恐らく、動き出したい…とでも言いたいのだろう。しかし、あえて俺は動かずに瑞希さんを極限まで焦らしていく。 その方が瑞希さんの溢れる性欲を一番抑えられるからだ。       「むつき…くん…」   『何ですか瑞希さん?』       言いたいことは手に取るように分かる……が、素知らぬフリをして時間を稼いでいく。 そのお陰なのか、瑞希さんはもじもじと両足を動かし、アピールしてくる。   俺はその動く両足を止めるように瑞希さんの腰に手を添えると、ゆっくりと口付けを交わした。     それとほぼ同時に、瑞希さんと繋がっている腰を一気に突き立てた。 瑞希さんは目を見開き、快楽から涙を流しながら声を徐々に漏らし始める。         「んっ……っは…んぁぁっ!」   『綺麗ですよ。その乱れた姿……本当にあなたが瑞希さんなのか疑ってしまう位です』       もはや、俺の声は瑞希さんには届いていないようで、俺が動かす腰に合わせて瑞希さんも腰を振っていた。   肉と肉がぶつかり合い、水が弾かれ、妖艶な声が漏れ……二人の男女による性行為が行われている―――     ――――――― ―――――― ――――― ―――― ――― ―― ―    
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