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――俺達が喫茶店へと戻った時、桐生は門宮の隣へ行き、祐介はウェイター服を着て椅子に座っている。
マスターは未だに帰ってきていない様子で、柊は勢い良く抱きついてきた。
まだ、肝心の神崎は来ていないようで、しばらくの間柊と戯れていることにしよう。
「むつきぃ…えへへ」
『どうした?』
俺と柊だけでスタッフルームに入り、俺が椅子に座っている膝上に向かい合うように柊がまた座る。
柊は嬉しそうな表情をしながら俺の背に手を回し、見上げるようにして呼んできた。
「…大好き…一番大好き…!
いっぱいきすしたいし…いっぱい一緒にいたいのー」
『………するか?』
俺は柊の頬に手を添え、柊の瞳を見ながら問い掛けた。
今更、柊のその希望を断る必要も無いし、別にキス位いくらでもしてやるさ。
だが、柊は予想外だったのか…目を丸くしてジッと見返してきた。
次第に頬に熱が帯びてきて、顔が赤く紅潮してきている。
「…えっ…えぇ…?」
『目、閉じろ』
混乱している中、言われるがままに柊は目を閉じる。
しかし、今からキスをされると思ってか、多少体が強張っていた。
俺はそんな柊の背中に手を回し、ゆっくりと唇を合わせた。
唇が触れた瞬間に柊から声が漏れ、緊張が解れてきたようだ。
一度、唇を離すと、柊は目を開けてポーッと虚空を見つめていた。
『……柔らかかったぞ』
「えへへ…もっかい…」
今度は柊から唇を合わせてきて、口を開いてくる。どうやら深い方を所望のようだ。
俺も口を開くと、柊から恐る恐る舌が送られてきて、俺も舌先で柊の舌に触れる。
ビクリとして一瞬舌が戻ったが、次には奥まで舌が入ってきた。
「…ん…ふ…ぁっ!」
互いに抱き締める力が強まり、しばらく深いキスを繰り返していた俺達だった。
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