第十九話

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      スタッフルームを出ると、門宮、桐生、祐介、柊、俺……そして神崎の六名が顔を合わせた。   門宮は椅子に座り、その後ろに桐生が立っている。 祐介も椅子に座っているが、テーブルに肘を付いて明後日の方向を見ていた。     ……ここで気を利かせたのか、はたまた居心地が悪くなったのか…門宮と祐介は喫茶店を出て行く。 桐生も門宮の護衛のためか、後を追って喫茶店を出て行った。   最終的には俺と柊と神崎の三人になった。           『………さて、少し話をしようか…?』   「むつきぃ…私は居たら…?」   『いや、あえて居てくれ』       柊を門宮が座っていた椅子に座らせ、俺は神崎と対面するように椅子に座る。 神崎も恐る恐る椅子に座り、膝に手を乗せて握り締めていた。   俺が溜め息を吐き出すと同時に、神崎はピクリと体を震わせる。       『もう一度言おう、少し話をしようか』   「…うん…」     小さく声を出して頷く神崎。 俺は足を組み、神崎を見る。   神崎も弱々しく顔を上げ、初めて出会った時のような覇気は微塵も感じられなかった。       『門宮と、揉めたみたいだな』   「…うん…友達じゃなくなった…友達でいられないって…」       ワザと、神崎の精神を更に傷付ける内容を話し、メンタルを弱くしていく。 こうやって段々と本音を聞いていこうと思う。   続いて、その時…いや、今現在の心情を話させてみる。       「私が全部いけないんだ…不用意な発言と行動でみ……門宮さんを傷付けたから」   『ならば、その不用意な発言と行動をさせたのは間接的に俺にも原因がある。 それに関しては悪かった』       俺は足を組むのを辞め、頭を下げた。取りあえずは一度その事について謝る必要があるのは重々承知している。    
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