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だが、その楔の内容を話してしまったら、最早俺にとってそれは楔では無くなってしまう。
「悪いが、それは話せない。
皆、事情があるために秘密にするものがあるだろ?その秘密が、俺にとっての楔だからだ。
……しいて言うなら、睦月の破壊を防ぐ…だな」
「奴の破壊を防ぐ…だと?」
うんうん、復唱ありがとう姫ちゃん。だがな…頼むからサバイバルナイフをちらつかせながら話しかけないでくれるかな?
どう見ても脅しに見えて仕方がないです。本当にありがとうございました。
「んー、これ以上は…無理だよねー?」
「あぁ、最大限の譲歩をして、それだけは言える。
だから姫ちゃんナイフ突きつけるの止めてくれってば」
「姫ちゃん言うなっ!」
顔を真っ赤にして怒る姫ちゃん。
まさしくツン。
これでデレがあればなぁ…ちょっとキツいツンデレなんだが……
つーか姫ちゃんかなり可愛いんだから、ほんの少し女の子らしい格好をすれば…………
「柳葉君、何で顔を真っ赤にしているの?」
不覚…姫ちゃんの女の子らしい服装を想像してしまった。
想像以上に似合っていたから、思わず赤面しちまったよ……
「いや…姫ちゃんが女の子らしい服装をしたらなぁ……と思ったらつい」
「だっ、だから姫ちゃん言うなっ!」
………おろ?何だか姫ちゃん微妙に脈ありかな?
軽くどもってるし、どうやら怒っていて顔を真っ赤にしていたのかと思ったら…違うみたいだな。
……フヒヒヒ、可愛いのぅ可愛いのぅ。
年上なのに、ウブで気高くてツンデレで…ナイス姫ちゃん!
「俺、ちょっと姫ちゃんに興味を持ちました!姫ちゃんの現状況の対応とかに惹かれたわ…!」
「んー、本題を随分とはぐらかされちゃったけど、柳葉君は私の側近のきりゅ……姫ちゃんを…?」
「雅様まで…貴様のせいだぞ…!私はその名で呼ばれるのが嫌いなんだ。虫酸が走る!」
上手く誤魔化そうとしたのに、門宮さんには無理だったようだ。
しかし姫ちゃんには効果絶大だったようで、初めて狼狽える姿が伺えた。
……冗談では無いんだがなぁ。
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