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取りあえず俺はベンチから立ち上がり、二歩三歩、前に歩いた所で振り返る。
二人は此方を見ていて、あまりの真剣さに俺は思わず楔について深く語ろうとしてしまった。
……だが、一つ溜め息を落として気を落ち着かせてから口を開く。
「さて、もうこの話は止めにして、門宮さんと姫ちゃんはそろそろ自宅に帰った方が良さそうだ」
「……えっ?」
勢い良く近付いてきた姫ちゃんは俺の隣に来て、呟くように注意をくれた。
「…気をつけろ…」
「俺を誰だと思ってる…?少なくとも睦月と同レベルの力はある。舐めて掛かってくる奴には負けないさ」
公園の外に、柄の悪いチンピラがいる。此方を見て、明らかに門宮さんと姫ちゃんを狙っていやがる。
門宮さんをどこぞのお嬢さんだと知ってか…それとも二人の美貌に目移りしたか……どちらにせよド阿呆は間違いなさそうだ。
姫ちゃんは門宮さんを連れて反対側の公園出口から出て帰宅の道を駆け出した。
俺は先程懐にしまった姫ちゃんのサバイバルナイフを取り出し、小指方面に刃が来るように逆手に握った。
…………久しぶりに暴れるとしようかな…もう少しでマスターによるアレが終了するからねぇ。
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