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久しぶりに帰ってきた家は、流石に変化はなかった。だが、違っていたのはやはり、家の中の賑やかさ…だ。
どうやら結構多い人数で騒いでいるらしい。高校も終わり、祐介辺りが騒いでいるんだろう。
俺は鍵を開け、家へと入った。
そこで目にしたのは、あまりにも意外で、思いもよらない惨状であった。
祐介はいない。その代わりに、女四人で酒盛りをしている………いや、実際には三人だけ飲んでいて、一人は必死に拒絶していた。
ざっと見た感じ、女四人とは神崎、柊、門宮、桐生だ。
一人酒を含んでいない桐生に三人掛かりで酒を飲まそうと騒いでいる。
……少し、頭を冷やさせよう。聞きたいことも沢山あるからな。
四人は俺に気がついていないようで、取りあえず俺はキッチンでコップに水を注ぎ、四人の頭にそれぞれぶちまけた。
四人はキョトンとした表情を見せ、俺の顔を見た途端に血の気が引いたような顔色になっている。
『貴様等よほど怒鳴られたいようだな……少しそこに正座しろ。絶対に足を崩すんじゃない…良いな…?』
物凄い速さで正座の体制を取る四人。桐生は年上だが、今は一切関係無い。
久しぶりに帰ってきて早々に怒ることになるとは…呆れたものだ。
桐生は良い大人もとい教師なんだから、流石にビシッとしていると思ったが……俺の目が節穴だったようだな。
まさか一緒になって騒いでいるとは…しかも人の家で、だ。
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