第二十話

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          ――静香さんとの生活をして、新たに道を見いだしたとは言え……やはり疲労は取れるはずがない。     故に俺は自室のベッドで横になり、多少の体力回復をしている。 先程の柊との口付けで、男性特有の欲望も滲み出てきた。       ……マズい、これは相当マズい。     今までは吹雪の存在が俺の枷となり、ありとあらゆる物を封印していた。 だが、吹雪の存在を乗り越えられた俺はもう、普通の思春期男性と似たような者になっているはず……     それで、一つ屋根の下で同棲生活……加えて先程の口付けは決定打だったかもしれない。         『少し、頭を冷やすか…』       俺は自室の窓ガラスを開く。 実は俺の自室の窓ガラスを開くとベランダが存在しており、そこに座って夜空も見ることが出来るようになっていた。     ……向かいのすぐ近くの家は『元、明日原家』だったんだがな……         とにかく俺はベランダに出た。 ほんの僅か、夜風が寒く感じるが、俺の頭を冷やさせるには一番効果的かもしれないな。      
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