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『……なら、神崎と門宮の間の絆は、全て元に戻すことができたのか?』
そう言うと、門宮は憎たらしそうにチッチッチ、と人差し指を振り頭を振り。
どうやら『元に戻す』ではなく、『新しく作り上げた』とでも言いたいのだろう。
「私としーちゃんとの絆の糸は一度解かれてから、新たに結んだときが最も強固になるのだよ!もう解けないし、解かせないのさ!」
『そうか、それなら俺はこの街を出ていく必要は無さそうだな……せっかく全ての関係を消し去ることが出来るようにマスターに前々から準備していてもらったのにな』
一週間前、マスターがこの街の悪漢を一掃した時と同時に頼んでいた準備だった。
だが、少し安心感を得た自分が居た。ようやく渡り合えた俺の理解者……その人を手放すと言うのは、今度こそ永遠に嘘の仮面を何重にも付け続けるだろう。
だが、その必要が無くなり、吹雪と言う枷も消えた。
今の俺に出来ることは、相手の好意を真正面から受け止め、きちんと返事をすること……だな。
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