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その言葉が聞きたかった俺は、門宮にもう叱るつもりはないから安心してほしい、と伝えた。
門宮は安堵した表情を作り、そして俺に一言。
「ここ、何だかえっちな匂いでいっぱいだねっ☆」
すぐさま俺は神崎と柊を呼び出した。怒号とも言える叫び声で、二人を自室へと誘う。
慌ててやって来た二人を招き入れた俺は、口角がピクピクと痙攣して妙な表情になりながら二人を目の前に正座させる。
ようやく一段落着いたと思ったら、今度はコイツ等の説教をする羽目になるとは……
『呼ばれた理由は、分からないと思う。門宮いわく、この部屋は淫猥な匂いがするそうだが……どう言う事だ?』
「む、それなら原因は私達だ。一週間ほど飛鳥と一緒に眠ったからな」
「…むつきの匂いに…くるまれたかったから…なの」
思わず頭を抱えてしまった。
あまりにも理由としては大きなピースが抜けているからだ。
ただ一緒に寝ただけでは門宮は『淫猥』と言う言葉は使わないだろう。
むしろシャンプーや甘い香りがする…などであろうか。
『……何故、淫猥なんだ?』
「…うみゅ……えっちな事をしいなとしちゃったから…かも」
再度、頭を抱えた俺。
溜め息もついでに吐き出し、どれだけこの二人が欲求不満なのかが不思議に思った。
「むつきぃ…大好き…大好き…大好きだよ…!もうね、私にはむつきが一番なの…!むつきが居なきゃ、駄目」
「あっ、飛鳥!?」
急に柊が鳴きそうな顔になり、声を振り絞るように言ってきた。この行動に神崎は驚き、そして柊を見る。
……柊は、俺が必要…?
初めて心を開いた相手だから?
この世の広さを教えたから?
「もう…ね…壊れちゃいそうなくらい…好きなの……」
まっ…まさか…嘘だよな…?
もしかして柊って……
「むつきが隣に居れば…他に何があろうとも構わない…!」
や…ヤンデレ…だと言うのか!?
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