第二十話

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      まぁ、俺は香水とか付ける人は好かないからな。やはり姫ちゃんは俺のタイプストライクの人間だぜっ!     「うむうむ、姫ちゃんは可愛いのぅ。ハグして良いかハグして?」   「駄目に決まってるだろ!」       ちぇっ、たまにはデレてほしいものだ……     仕方がないから、俺は姫ちゃんと一緒に登校する事にした。 一応姫ちゃんは教師だが、他の教師とは違う全く新しい一面を持っている。 多少門宮さんのコネで融通は利くから、姫ちゃんは一生徒のよう普通に生活が出来る。         「姫ちゃんってさ、何で男が嫌いなんだ?」   「……姫ちゃん言うな。 貴様みたいに自分勝手な自己主張や、女性を道具みたいに扱う輩を私はこの眼で見てきたからだ」       故に男性が嫌い…ねぇ。 なるほど、確かにその理由なら姫ちゃんが男を嫌うのも分かるかもしれん。 ……男ってのは女の前では見栄とかを張りたい生き物だと思うぜよ。     「ん、良し分かった。俺が姫ちゃんの壁に穴を開けてやろう。 …ってか、俺は姫ちゃんが好きだ。好きだからこそ、姫ちゃんに振り向いてもらいたいのじゃ」         だってさ、ちょっとだけツンツン率が高いけど、極稀にだけノーマルに近いデレが見れるんだぜ? そのギャップと言ったらもう……不覚にも柳葉 祐介、トキめいてしまいました。       「ばっ、馬鹿者!誰が貴様なんかを好くか!貴様などが彼氏になるならば同性の者と付き合う方が数百倍もマシだっ!」   「言い過ぎだってばよ。俺っちこう見えても打たれ弱いんだから手加減してほしいさ……」       しかーし!姫ちゃんが焦るとは、少なくとも俺は姫ちゃんに極限まで嫌われていない証拠! 普通の奴だったらサバイバルナイフが飛んでくるはず。     「これも姫ちゃんとのスキンシップと思えば苦などでは決して無いのだ!」   「待て!ナイフの錆落としにしてやるからそこに直立不動になっていろ!」                 一目散に逃げ出した俺を追い掛けてくる姫ちゃん。 姫ちゃんの手にナイフさえ無ければカップルに見えるんじゃねコレ?   アッーーー!?掠った! ナイフ今掠ったぁぁぁぁ!?        
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