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――とまぁ、そんなこんなであっと言う間に放課後ですよっと。
俺は姫ちゃんに言われて特別指導室に呼ばれた。
特別指導室には姫ちゃんが一人、俺を睨みながら腕と足を組ながら椅子に座っていた。
……ポジティブポジティブ!
「貴様は何故、私に喰って掛かる…?貴様の自信と、強さは一体何が源だ?何故、貴様はあの時に私と雅様だけを逃し、無傷で生還出来た?」
あぁ、そんな事か。
「本当に…知りたいのか?
知って後悔は絶対にする。姫ちゃんは俺を異質な目で見るだろうからな……」
軽く自嘲気味に苦笑しながら呟くと、姫ちゃんは正確に俺の顔の横にサバイバルナイフを飛ばし、壁に突き刺さった。
…あらら?これは、俺に対する宣戦布告と見なしてよろしいのかな?
「いい加減にしろよ…暴力で解決出来ると思ったらお門違いだぞ……」
俺は壁に突き刺さったサバイバルナイフを抜き取り、刃の先を人差し指の第二関節辺りと親指で挟みながら上下にぷらぷらと動かす。
いつでも迎撃出来るように準備して、姫ちゃんを睨み返す。
流石の俺も、わざと外しているとは言え何度もナイフを投げられたらキレるさ。
「ほら、返してやんよ」
姫ちゃんが俺にしたように、俺も姫ちゃんの顔のすぐ横目掛けてサバイバルナイフを投げ返した。
案の定、刃が壁に突き刺さると同時に姫ちゃんは固まっていた。
……人の痛みを知らない奴には良い薬だと思え。
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