第二十一話

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        ――頭がガンガンと金槌で叩かれたかのように激痛がする。 そして、俺は全裸でベッドに横たわっていた。両隣には神崎と柊の二人がこれまた全裸で俺の両腕に抱き付いて眠っている。   ……昨晩の事は全て覚えている。アルコール摂取による暴走では無かったために、辛うじて意識だけは残っていたが、体が本能のまま動いていた。       『…しかし、我ながら酷いことをしてしまったモノだ……』       片方を気絶寸前まで追いやり、する前にもう片方を攻める。 どちらかが絶頂を迎えても気にせず行為を続け、互いに快楽を探し続けていた。   スヤスヤと整った呼吸を続けている神崎と柊は時折顔を赤くし、呼吸が稀に乱れる。 夢の中でまで、行為をしているのだろうか…?     「…ぅ…ん…」     神崎は俺が起床した気配を察知したのか、小さく声を漏らしながらゆっくりと目を開いた。 そして、俺の顔を見ると同時に、ほんのりと赤みが掛かった顔が一気に赤面した。   急いで離れようとした神崎の背中に、抱き締められていた方の腕を回し、離れられないように寧ろ引き寄せる。     神崎の柔らかい肌が素肌に触れ、顔が急接近する。 伊達眼鏡も掛けず、髪を下ろしている神崎は愛らしい表情をしていて、可愛かった。       「…ゃっ…今汗臭い…」   『そんな事はない。神崎はいつも良い香りがして、心地良いさ』     クサい台詞を言うが、本心だから仕方がない。     「わっ…私はとうとう睦月と一緒になったんだな…?」   『あぁ、俺と柊と一緒になった。あの時は可愛かったぞ…?顔が真っ赤になりながらも誘ってくるから、余計に性欲を駆り立てられた』         普段とのギャップ……だな。 神崎は甘える時は日常生活の時の性格とは全くの別になってしまうから、此方の欲が爆発してしまった。    
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