第二十一話

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    「ば…ばかぁ…!そんな事ある訳が…!」       口で言っても聞かなそうで面倒だから、手っ取り早く俺は神崎を強く抱き締め、頬に唇を落とし、耳元で囁いた。     『あるさ…まだ媚薬が残っているのか、神崎が近くに居るだけでクラクラとして意識が持って行かれそうだぞ…?』   「やめ…耳に吐息がっ…」       ……随分と大人しくなった。 しかし、その代わりに俺が性的欲求を感じてきた。 今の今まで貯まっていた性欲は昨晩だけでは足らないようで、自己主張を激しくさらけ出していた。   神崎もそれに気が付いたようで、数分沈黙していた所、含み笑いをした後に俺の上に覆い被さるようによじ登ってくる。         「ふふふっ……睦月はまだまだ足りないえっちな人間だな…?私なんかもう気持ち良くて腰が抜けてしまったよ。だけど……睦月がしたいなら…構わないよ…?」   『マゾヒストのくせに、一丁前に挑発か…?次は柊がいないから、気絶したら起こしてまで続けるからな…!』           柊の抱き付きから抜け出し、俺は上に乗る神崎の腰に手を回して再び唇を合わせた。                                     今度は誰も、絶対に手離さないように。絶対に隣に存在するように。   寿命尽きるまで共に生き、そして必ず幸せに生きる暮らしが出来るように――     凛として口調が男勝りで、それにもかかわらず女の子らしい一面を持つ存在。         格好可愛い彼女は、俺の隣に居てくれた………                    ~~格好可愛いあの人~~          ~FIN~
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