幻想としての不幸とのサヨナラ

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幻想としての不幸とのサヨナラ

 星数ほどの魅惑の幻想(イリュージョン)が、ちりばめられたら、世界は跪く。 ピカソは神に背いたように。ピカソの過ちは、戦った神が弱すぎたという、グローバルな点に、あるけれど。   ああした、高度文明技術や知理は、イリュージョンをリアルに見せたけれど、ああした幻想は、不幸に作られている。  一般的な幻想の質と価値は、反比例している。   人は、無いものに感動するのではなく、自らの体験を内省的に、感動して生きることが、できるように生まれてきたからだ。  無から有を産むという定説を支える才能やイリュージョンは、そもそも不実を産む。  その正しい接し方はこうだ。  弱くて、好きな気持ちを見失ったり、明日をやり過ごせなくなっても、社会悪と同じように、天下の様々なイリュージョンを、蹴り飛ばしたって構わない。  高級イリュージョンを否定しても、百歩譲って、高級娼婦を知らなくても、教養を失うことはない。  リアルという意味以上に、確信的な話として。  高級イリュージョンを、一笑したら、あなたが、元気になるから、構わない。  妄想は、私には、こそばゆい。体内からあふれ出てきたなら、既成の高級イリュージョンより、勝らなければならない。
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