幸せな時間

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幸せな時間

 幸せな時間がくれる、不思議さについて、わずかに思えるところがある。   それは、哀しみは、繰り返さないということだ。   喜びも哀しみも繰り返されるのは、簡単に判るし、普段にある、哀しみやいきどうりは、前にも、身に降り掛かったことを、経験しているものだ。  おそらく、適度に泣いたり、笑ったり、酒を飲んだりして、紛らわす暮らしを幸せに思うものだ。  幸せな時間にある、不思議は、繰り返される過ちを許さない。  どんなに苦しくても。  神仏のご加護とその幸せが重なれば、永遠性を知ることになるといい。   幸せの所在を、悩む時代は、神も仏もない、退廃を生むのだろう。  幸せな時間に、真に不幸を教わり、不幸との決別より胸は晴れる。  好きな人のことを、どんな時に、想うといいのだろう。時に選ばれない故に。  傷心の人がいて、どんな風に心を砕き、暖めうるのだろう。  拙さを知る。   そういう気持ちを、囁いたあなたに幸あれ。
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