最高の悲しみ

2/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
 かなり深刻な話、大事な人を喪うと、心の傷は、あらゆる、好きになる自由を、束縛する。  好きになる自由を束縛する、心の傷について、誤解を恐れず、明快に喩えるなら、ある瞬間、あまりに、タンポポが、美しく見えたりすることだ。   つまり、涙が溢れて、枯れないということ。  涙には、流れ続けてよいという特権を、乙女が箸を見ても、笑い転げるようには、与えてはいけない。  悲しみの限界は、知るほうが、幸せだ。    悲しみの限界は、幸せの母という意味で、知られていくことなんだ。  もう泣かないでと、それだけを純粋に、心から願う気持ちを、知ったら、人間的な葛藤を知るかもしれない。  悲しみを知ることは、それだけで、偉大な存在を、知っていくこと。  結論だけを繰り返すなら、早急だけれど、あまりに深い悲しみを、体験するべきではない。  あまりに、偉大になれない事実が、枯れない涙とあるからだ。  ファンタジの優しさは、タンポポの美しさを、過剰にしない、美しさの基準を奪われるほどの哀しみを、知ることは、自由を奪われること。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!