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視界のはてまで延々と続く岩山と原野が織り成す壮大な光景。
その荒野の丘の麓、三人のPC(プレイヤーキャラクター)を取り囲むようにして十人以上のPCが円を象る。
その丘にひとつの黒い“影”が落ちる。
その影はどこまでも深くどこまでも鮮やかだった。
影の色は赤黒。
血と闇から生を得た忌まわしき混血児。
そして、その影の降り立った荒野は――処刑場と化した。
三人の内、一人はすでに殺され、残る二人の命も風前の灯と化している。
どうにか逃げようと試みるが、こう囲まれては逃げ場もない。
更に一人が殺される。
「た、助けてください!」
最後の一人が助けを乞うが、眼前ににじり寄った女は嘲笑を浮かべ剣をかざす。
「ハッ、バーカ」
振り下ろし、一刀の元に惨殺。
“影”はそれを見届けた後、丘をくだって彼らの元に歩みを進める。
その表情には最後に剣を振るった女と同じ笑み、すなわち―嘲笑が浮かんでいた。
―PK。
この“二つ目の世界”で許された、人間同士による決闘にして殺戮。
ある者は快楽を、ある者は愉悦を、ある者は富を得る為それを行う。
プレイヤーをキルする存在『Player Killer』すなわち―PK。
女は自らが殺した者を足蹴にし、晒す。
それは紛れもない非道。
それは紛れもない殺戮。
それは紛れもない悪意であった。
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