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ハセヲは両の手を己が背に回し、“光”の中へと差し込み手に取る。
取り出されたのは対なる双剣。
殺意が宿る双子の凶器。
両手に殺意を携え疾風と化した突撃。
眼前に迫った敵に刃を振るい、双撃の元に倒す。
――1人
相手はまだ戸惑ったまま。
混乱に乗じるつもりはないが、ただ剣を振るい数を減らす。
――2人
ようやく立ち直った近場の二人が武器を構えようとするが、一瞬でその彼我距離は零となり、三度双剣を一閃。
更に二人を始末する。
――これで4人
次の狙いは嘲笑を浮かべていた、あの女。
「くっ!?」
四度地面を蹴り、一気に詰め寄る。
女は重剣を持って二撃、三撃と攻撃を受け止めるが、尚も攻撃を四撃五撃と叩き込む。
この素早い連続攻撃こそが双剣使いの真骨頂である。
攻撃で弾かれた事で出来た一瞬の間合いで、女は後ろに跳躍し六撃目をかわす。
どうやらPK集団の頭を張るだけの実力は持ちあわせているようだ。
女の着地と同時に、反撃に転ずる間を与えることなく溜めた一撃をぶつけ、双剣に仕込まれた爪が回転して削るように、女の剣との間に火花を散らす。
剣はチェンソーを短くしたような作りであり、溜めて攻撃を繰り出すことで削るような威力を引き出していた。
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