第1章 死の恐怖『ハセヲ』

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ハセヲは両の手を己が背に回し、“光”の中へと差し込み手に取る。 取り出されたのは対なる双剣。 殺意が宿る双子の凶器。 両手に殺意を携え疾風と化した突撃。 眼前に迫った敵に刃を振るい、双撃の元に倒す。 ――1人 相手はまだ戸惑ったまま。 混乱に乗じるつもりはないが、ただ剣を振るい数を減らす。 ――2人 ようやく立ち直った近場の二人が武器を構えようとするが、一瞬でその彼我距離は零となり、三度双剣を一閃。 更に二人を始末する。 ――これで4人 次の狙いは嘲笑を浮かべていた、あの女。 「くっ!?」 四度地面を蹴り、一気に詰め寄る。 女は重剣を持って二撃、三撃と攻撃を受け止めるが、尚も攻撃を四撃五撃と叩き込む。 この素早い連続攻撃こそが双剣使いの真骨頂である。 攻撃で弾かれた事で出来た一瞬の間合いで、女は後ろに跳躍し六撃目をかわす。 どうやらPK集団の頭を張るだけの実力は持ちあわせているようだ。 女の着地と同時に、反撃に転ずる間を与えることなく溜めた一撃をぶつけ、双剣に仕込まれた爪が回転して削るように、女の剣との間に火花を散らす。 剣はチェンソーを短くしたような作りであり、溜めて攻撃を繰り出すことで削るような威力を引き出していた。
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