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「へっ?」
ハセヲが“白い男”の眼前に手をかざした手から光が溢れる。
続き耳に届く音は黒き精霊が集う凝縮音。
光が、放たれた。
「あぶべぶらっぼらぁ!?」
光は白い男の顔面を捉え、遥か彼方に吹き飛ばした後炸裂し、派手に土煙をあげる。
武器を失ったとしても、この程度の相手ならば呪文だけでも倒しきれる。
残るは2人――。
「てやあぁぁぁ!」
間髪いれずに大剣を持った恰幅のよい男が上段から攻撃を仕掛けてくる。
「ほぅ!うりゃぁ!」
右に弾けるようにして跳躍し、回避する。
続く攻撃もバックステップで回避し、十分な距離をとる。
そして、肩越しに三度“光”に手を差し込み、三種目の武器をその手に取る。
振り抜き現れるは巨大な重剣。
死臭に満ちた巨大な鉄塊。
その身に刃と狂気を孕む、敵を惨殺せしめる死の大刃。
「うおぉぉぉりゃぁ!」
敵が上段から大剣を振り下ろしてくるのに対し、カウンターの要領で大下段から天を突くかのごとく一気に振り上げる。
刃が交わり、ハセヲの大剣は狂喜を鳴らす。
男の表情が驚の一字と染まる。
その力な差は歴然で、恰幅のよい男の大剣は空へと弾かれていく。
武器を失った男に、ハセヲは返す力で大上段からその大剣を振り下ろした。
残り――1人!
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