第1章 死の恐怖『ハセヲ』

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最後に残った頭、女が剣を携え突っ込んでくる。 「シイィィィ、ハァッ!」 女は威勢と共に軽く跳躍、その自重を仕掛ける。 当然のようにハセヲは構えていた大剣で女の剣を防ぎ、そのまま吹き飛ばす。 「きぃやああぁぁぁぁ!?」 ――通常。単独で多人数を相手に戦闘する時は真っ先に頭を潰し、統率を失わせる事が重要となる。 しかし、ハセヲはただ近場の敵から片っ端に潰している。 倒す順番など関係ない。 ただ近場の人間に刃を振るうだけの――作業。 故にこれは戦闘どはなく、ましてや決闘でもない。 そう、これは――処刑であった。 女は体を捻り、なんとか着地するが堪えきれず片膝を付く。 ハセヲはゆっくりと吹き飛ばした女に歩みを進める。 頭が残ったのは好都合だった。 手下ね知らない事も頭は知ってる。 ――ハセヲは復讐の為、PKKを行っている。 しかし、厳密には復讐そのものの為に行うのではなく、復讐を果たす上での手段としてPKKを選んだのだ。 そう、PKには――聞きたいことがある。
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