第1章 死の恐怖『ハセヲ』

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女の手前まで歩みを進める。 「くっ…、そんなに強いなんて思わなかったよ」 ぼやくように呟いている。 「百人のPKを斬ったって噂も、まんざら嘘じゃかいみたいだねぇ……」 構わずに女を睨みつける。 「ちょっ、そんな怖い顔すんなよぉ!」 女はゆっくりと右手を武器の柄へと持っていき―― 「ほら、謝るからさぁ あんたも大人しく…」 ハセヲから死角となるように武器を握り、力を籠めて―― 「死にやがれえぇぇぇぇ!」 横一文字に一閃。 しかし、そのような不意打ちなど絶対的な力の前には意味を持たず…… 「うぁあ!?」 大剣に攻撃を阻まれて吹き飛ばされ、地に膝をつく。 ハセヲは瞬時に吹き飛ばした間合いを詰め、そのまま女の首元に狂気の大剣を突きつける。 「チッ……」 女は舌打ちし、諦めたようにうなだれた。 トドメをさされる覚悟をしたのだろう、抵抗の気配はもはや無い。 しかしトドメはまだだ。 PKに聞きたいことがある。 聞かなければいけないことがあるのだ。 そう、『死の恐怖』の“物語”はこの言葉から……始まった。
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