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女の手前まで歩みを進める。
「くっ…、そんなに強いなんて思わなかったよ」
ぼやくように呟いている。
「百人のPKを斬ったって噂も、まんざら嘘じゃかいみたいだねぇ……」
構わずに女を睨みつける。
「ちょっ、そんな怖い顔すんなよぉ!」
女はゆっくりと右手を武器の柄へと持っていき――
「ほら、謝るからさぁ あんたも大人しく…」
ハセヲから死角となるように武器を握り、力を籠めて――
「死にやがれえぇぇぇぇ!」
横一文字に一閃。
しかし、そのような不意打ちなど絶対的な力の前には意味を持たず……
「うぁあ!?」
大剣に攻撃を阻まれて吹き飛ばされ、地に膝をつく。
ハセヲは瞬時に吹き飛ばした間合いを詰め、そのまま女の首元に狂気の大剣を突きつける。
「チッ……」
女は舌打ちし、諦めたようにうなだれた。
トドメをさされる覚悟をしたのだろう、抵抗の気配はもはや無い。
しかしトドメはまだだ。
PKに聞きたいことがある。
聞かなければいけないことがあるのだ。
そう、『死の恐怖』の“物語”はこの言葉から……始まった。
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