Sixteen*03

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「ちがっ・・・」 「なにムキになってるの?」 サラはまた、口元だけで笑う。 「・・・・・・」 あたしは何も答えられなかった。 やけに心臓がどきどきしている。 なにこれ。 サラが穏やかな笑顔であたしを見た。 たぶん、目をのぞきこまれている。 あたしは、小さなときから他人の目をまっすぐ見るのがこわかった。 人の目を見て話をすることが、できなかった。 なんでなんだろう ただただ、恐怖だった。 たぶんサラはそれに、気づいている。
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