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僕が生まれてきた時、誰も僕を愛してはくれなかった。
愛を知らないわけじゃない。
愛を知りたくないんだ。
誰かが僕を愛そうとするたびに、僕は胸が苦しくなる。
叫びたくなる。
いっそうのこと、呪ってくれさえすればいいのにって僕は希うのに―。
ただ一人除いて。
僕はたった一人にだけ愛することを許した。
否。僕が彼女を求めていた。
彼女しか駄目だった。
彼女に生きていて欲しかった。
彼女だけが僕の全て。
―なのに…
もう、どこにいるのかわからない。
あれ以来
君は何処にいて
何をしているのか。
僕は狂いそうなのに…。
君は違うのか。
でも、それでもいい。
君が僕を忘れていたとしても、僕は君を覚えている。
もう、それだけで十分。
もう、君がいなくても
大丈夫。
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