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ラブホテルだろう。
その一室に連れ込まれるやいなやベッドに押し倒され、着ていたパジャマをひん剥かれた。
元々安物のパジャマだ、強度があるわけがなく、一瞬のうちに破り捨てられた。
「何? お前、トランクスはいてんのかよ。まあ、そういう女もいるらしいって聞いたことあるがよ」
中に着ていたインナーも下着も全て破かれた。
脱がすのが面倒なのか、または逃がさないためなのか。
そんなことを裸になった俺は、不思議と考えていた。
男は息が荒かった。
十分離れているはずなのに、その鼻息は顔にかかって酷く臭い。
吐き気のするような臭い。
それが顔にかかるたびに、息が苦しくなるのが分かった。
ぬちゃり。
男の舌が俺の胸を這う。
まるで味わおうとしているかのようにしつこく、粘着に嘗め回す。
気持ち悪い……。
がさつな手が俺の股間に回り、もう片方の手で男は自分の性器を取り出した。
逆立つもの。
俺を、犯すもの。
――犯される。
その認識が頭を駆けたとき――
何かが切れた。
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