強姦

2/5
569人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
   ラブホテルだろう。  その一室に連れ込まれるやいなやベッドに押し倒され、着ていたパジャマをひん剥かれた。  元々安物のパジャマだ、強度があるわけがなく、一瞬のうちに破り捨てられた。 「何? お前、トランクスはいてんのかよ。まあ、そういう女もいるらしいって聞いたことあるがよ」  中に着ていたインナーも下着も全て破かれた。  脱がすのが面倒なのか、または逃がさないためなのか。  そんなことを裸になった俺は、不思議と考えていた。  男は息が荒かった。  十分離れているはずなのに、その鼻息は顔にかかって酷く臭い。  吐き気のするような臭い。  それが顔にかかるたびに、息が苦しくなるのが分かった。  ぬちゃり。  男の舌が俺の胸を這う。  まるで味わおうとしているかのようにしつこく、粘着に嘗め回す。  気持ち悪い……。  がさつな手が俺の股間に回り、もう片方の手で男は自分の性器を取り出した。  逆立つもの。  俺を、犯すもの。  ――犯される。  その認識が頭を駆けたとき――  何かが切れた。  
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!