遺骨拾い

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秋のわりにはよく晴れた、比較的暖かい日だった。 線香を一束、ひしゃくと水の入った桶、そして花を持って私は歩き慣れない砂利の道を歩いていた。 ゆっくりと一歩ずつ進んでいくと、来る前の暗い気持ちは消えていた。 ここに来るのは数年ぶりで、以前来たときより綺麗に整理がされていた。 なにかしら理由をつけて墓参りに行かなかった私が、急に来たものだから、きっと彼女は驚いているだろう。
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