こぼれだす本当

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しばらく待っていると急に後ろから裾を引っ張られて驚いて振り向くと彼女が私の裾を控えめに握りながら笑っていた。 少し息があがっていて、もしかしたら急がせてしまったかも知れないと思った。 「すみません」 「ごめんね、急がせたみたいで」 「いいえ、全然。それより、早く中に入りませんか?」 「そうだね」 彼女はすぐに私の裾を手放して歩き出した。 少し寂しく思いながらも後ろを追いかける。
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