地蔵の呪い

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「で親父さんが亡くなって1年もしないうちに今度は風が自宅のベランダから落ちて、やっぱり頭を打って脳挫傷?みたいので入院したんです」 「ちなみにこれ地蔵じゃないぞ」 「え?」 「道祖神だと思う。あまり詳しくないんだが」 「道祖神・・・ですか」 師匠の専門は仏教美術なのだが、道祖神と言うのは土着の原始信仰のようなものであるらしい。 「旅人の道中の安全祈願、まぁ道標の様な目的だったり、子孫繁栄とか家族和合とか五穀豊穣だったりな、まぁいろいろだ。悪霊や災難に立ち塞がる、と言う意味で村落の入口に祀られる場合もある」 「子孫繁栄・・・ですか」 「この真ん中に男と女が彫られてるだろ。男の方が削れて黒くなってるけどな。エロチックな意味合いがある場合もあるんだよ」 「待ってください。男が黒いですって!?」 俺の背中に電気の様なものが走った。
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