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「・・・歩く、どう思う?」
「えー?」
歩くさんは話だけ聞きながら、写真には興味もない様子で肴をつつきビールを飲んでいる。
「特に何も見えないよなぁ」
「うーん 見えないねぇ」
歩くさんはちらりと見ただけで師匠に同意してみせた。
この人は酒なんだ。
酒と肴だ。
歩くさんの食べっぷりを見て腹が減ってきた俺は、恐縮してみせながらもカラアゲとタダ酒で腹を満たす事ができた。
それで俺は早々に帰る事にした。
歩くさんが来ているのに師匠の汚くて狭い部屋で酔いつぶれて寝るわけにはいかない。
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