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すると師匠が俺の上着を指差して
「ちょっとその写真貸しといてくれ」
「だって何にもないんでしょ?どうするんですか?」
「まあ、いいから貸してくれよ」
思惑ありげな顔で手を出す師匠に写真を封筒ごと渡して、俺は帰る事にした。
俺は自分の大人の配慮に自己満足しながら居酒屋を出ると酔った足取りでふらふらと家に帰った。
師匠から電話で叩き起されたのは朝5時だった。
「なんですか!うー、朝っぱらから。もう!」
昨夜はご馳走様ですの挨拶も忘れ、怒気をはらんで非難めいたうめき声を出す俺におかまいなしに師匠は話し始めた。
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