地蔵の呪い

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「あれな・・・お姉さんだそうだ」 「は?」 「歩くが全部見た」 「え?」 歩くさんのエドガーケイシーみたいな能力については前に聞いた事がある。 師匠は寝付いた歩くさんの枕の下に写真をもぐりこませたのだ。 「例の友達の写真・・・あれな、あの姉さんの呪い・・と言うより生霊だな」 「ええ!?」 「だから黒い影だよ。道祖神なんかじゃない。姉さんの生霊だそうだ」 「なんで・・・」 「親父さんが倒れたのは単なる脳梗塞で、それから後は遺産争いだそうだ。土地の実力者で土建屋って言うと相当の金持ちだろう?」 「・・・・・」 言葉もなかった。 痩せてしまった薄い笑顔を思い出した・・・ あの梓さんが?
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