570人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
いざどこにあるか、となると自信がなかったが、なんのことはない。
缶ジュースを買って中身を飲み干してしまえばいいのだった。
住宅街を抜けて、川のそばにそびえ立つコンビニを見つけると近くに自転車を止め、そのドアを開いた。
記号的な部分が重要であるなら、空き缶そのものに意味があり、銘柄にはこだわらなくていいのだろう。
というか、ペ○シしかなかった。
近所のパチンコ屋や本屋で時間を潰して、霊が多くいそうな墓地へ行った。
暗くなると、俄然雰囲気が違う。
人通りもない郊外の墓地は、見るとその大きさが増したような気さえする。
重いはずの缶は今は軽い。
それも夜の暗灰色の雲の中に、プルタブ形の穴が開いたような、吸い込まれそうな軽さだった。
最初のコメントを投稿しよう!