どうして幽霊は空き缶にはいるのか

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風が出てきたようで、立ち入り禁止の金網がカサカサと音を立て、香典のない卒塔婆からはその隙間を吹き抜ける空気が奇妙なうなりをあげていた。 周囲に明かりがなく、目を凝らしてみても空き缶にはなにも見えない。 オカルトは根気だ。 簡単には諦めない俺は、夜中3時まで座り込んで粘った。 出る、という噂も逸話もない場所で、そもそも幽霊なんか見られるんだろうかという疑念もあった。 缶の縁に影が座っているようなイメージを投影し続けたが、なにか見えた気がして目を擦るとやっぱりそこにはなにもないのだった。 結局、見えないものを見ようとした緊張感から来る疲れで、夜明けも待たずに退散した。
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