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小鳥の囀り声が聞こえる。
新しい朝が来たのだろう……
俺はその声をやかましく思いながら、ベットから自分の体を起こした。
「夢……か」
そんな俺はさっきの夢を不思議に思いながら、ふとカレンダーを見た。
「そうか……今日だったな」
そう呟きながら、俺は学校に行く準備をした。 そんな事をしても意味がないと気付いていながら………
紹介が遅れたけど俺の名前は坂本 恭一。16歳 普通の高校生…………
で、ありたかった。
俺には親や家族、親戚もいない……ずっと一人で今日まで生きてきた。
まだ、それだけならよかった。
俺には普通でない能力がある。
俺はそれを望んでいない……
未来が見える能力なんて
正確にいえば、少し先の未来に身近に起こる事が「見えて」しまうのだ。
俺はそれを「ビジョン」と呼ぶ。
そのせいで、身寄りのいないうえに変な能力がある俺は周りから気味がわれた。
だけど、それも今日で終わりだ。
「見えて」しまったから……
その時、車が物凄いスピードで恭一に向かって来た。
自分の死を……
車はクラクションを鳴らすが恭一は避けなかった。
生々しい音が辺りに散る。
「見えた」ことは決して避けることはできない。
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