第一生「異世界」

2/3
93人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
 木々や葉が激しく擦れる。 落ちて来た「もの」は、林の木によって落下速度を和らげられて地面に落ちた。 「い……痛ッ! なんで空から落とすんだよ、あの番人。しかも、人の話しも……ッ!?」 恭一はその先を言えなかった。 それどころか、動く事も出来ない。 なぜか? それは口の中に銃口を入れられ、両腕を塞がれた状態だからだ。 少しでも抵抗をすれば、即その銃口が火をふくだろう。 「…………え?なんだ、帝国の兵じゃないみたいね」 そういうと、塞いでいた両腕を離し、銃口も口から離してくれた。 「いきなり何すんだよっ!」 さすがに俺も、来た早々殺さるのはいやだ。 「シッ!静かにして……」 そう言いながら、その女は草むらからその先を覗き込んだ。 「よかった……帝国の奴らに気付かれてないみたいね」 「帝国の奴ら?」 そう俺が聞くと、なぜかジロジロと見られた。 「あんた……何?その服?」 珍しそうに女は言った。 恭一の服装は学校の制服のままだった。 「あんた何処から来たの?」 まずい、まんま別の世界から来ましたと言うのはやめたほうがいいよな。  
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!