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木々や葉が激しく擦れる。
落ちて来た「もの」は、林の木によって落下速度を和らげられて地面に落ちた。
「い……痛ッ! なんで空から落とすんだよ、あの番人。しかも、人の話しも……ッ!?」
恭一はその先を言えなかった。
それどころか、動く事も出来ない。
なぜか?
それは口の中に銃口を入れられ、両腕を塞がれた状態だからだ。
少しでも抵抗をすれば、即その銃口が火をふくだろう。
「…………え?なんだ、帝国の兵じゃないみたいね」
そういうと、塞いでいた両腕を離し、銃口も口から離してくれた。
「いきなり何すんだよっ!」
さすがに俺も、来た早々殺さるのはいやだ。
「シッ!静かにして……」
そう言いながら、その女は草むらからその先を覗き込んだ。
「よかった……帝国の奴らに気付かれてないみたいね」
「帝国の奴ら?」
そう俺が聞くと、なぜかジロジロと見られた。
「あんた……何?その服?」
珍しそうに女は言った。
恭一の服装は学校の制服のままだった。
「あんた何処から来たの?」
まずい、まんま別の世界から来ましたと言うのはやめたほうがいいよな。
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