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気配から察するに、力は下から中に相当するだろう。
そのくらいであれば、ルナじゃなくて瑞梛であっても一発で仕留められる。
―何でそんな雑魚が俺達をつけてるんだ?俺に賭けられた賞金目当てか?
いや…一応、あいつも妖だ。
自分とルナとの力の差は分かってる筈。
力無きモノが、命を捨ててまで殺しに来るとは到底思えない。
命知らずにも程がある。
―とすると………残る可能性は一つ。
ルナは小道を曲がる。
賑やかな世界からが一変し、壊れ掛けた長屋が並んだ風景が現れる。
「!?」
突然小道へ反れた目標に驚き、妖もルナの後を急いで追う。
……………と
妖「!!?」
妖が道を曲がり終えた途端、驚いた。
先程までいたルナの姿が、忽然と消えていた。
慌てて周りを見回す。
ここで見失ったら、後で主から何されるか分からないのだ。
ひょい。
妖「キッ!!?」
突然、体が宙に浮いた。
いつの間にか背後に回ったルナが、仔猫を持ち上げるように妖の首を鷲掴みしたのだ。
妖は、バタバタと必死に逃げようとする。
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