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瑞梛「い・・・・・・・・でぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ルナ「おぉ・・・」
小鬼の小さく、だが研ぎ澄まされた牙と爪により、瑞梛は顔面を引っかかれたり、噛み付かれたり・・・
一歩遅れて、瑞梛も負けずに小鬼に責めかかる。
なんだか、子どもの喧嘩を見ているようだ。
ルナ「ふむ」
-小鬼にとって、「雑魚」って言葉は禁句だったのかもしれないなぁ。
二匹の喧嘩を、ルナは屋根の上にアグラをかき、のんびりと眺める。
一応巻き込まれないように、何歩か後ろに下がり、安全区域に避難している。
・・・・・・・・。
どのくらい時間が経っただろうか・・・・・
瑞梛「おりゃあああああ!!!」
小鬼「ギィィィィィィ!!!!」
相変わらず、二匹の喧嘩は続いている。
ルナ「う~~~~~~ん・・・」
-飽きた・・・・・
妖は体力に限界が無いのだろうか。
太陽が西の山に沈む。
空が赤く染まり、烏が次々と山へ帰っていく。
ルナ「夕焼け小焼けで日が暮れて~・・・・・・」
無意識に歌が口からこぼれる。
この地に来て、いつの間にか覚えた歌だ。
ルナ「さて・・・・・そろそろ今日の宿を・・・・・」
探そうか・・・と、ルナは腰を上げようとして・・・・・思い出す。
ルナ「・・・あ。そういえば、昨日から沙耶の家に居候してんだっけ・・・」
-帰る家があるというのは良いものだ。
ルナは自然に笑みがこぼれる。
よっこいしょ・・と立ち上がり、ゆっくりと二匹の元へ近寄る。
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