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沙耶「あ!ルナさん!!」
ルナ「……………ん?」
突然聞こえた沙耶の声により、無理矢理現実へ連れ戻されたルナは、ゆっくりと視線を元へ戻す。
昨夜とは違う着物を着た沙耶が、慌てた様子で屋敷から駆け出してきた。
ルナ「どうしたんですか?そんなに慌てて…って…ぅわ!?」
沙耶がルナの目の前まで来た瞬間、突然ルナの胸ぐらを強く掴まれてしまった。
沙耶「こんな刻限まで、何してるんですか!!妖に襲われたんじゃないかと心配してたんですよ!!」
顔を真っ赤にして怒りながら、沙耶はルナの胸ぐらを掴んだままガクガクと力強く前後に揺らす。
ルナ「ぐぇ……………苦し………」
気が強いだけでなく、かなり力も強い。
沙耶「………あっ」
苦しむルナの顔に気付き我に返った沙耶は、慌てて手を放す。
ルナ「ゲホッ…げほっ…」
沙耶「ご…ごめんなさい!!大丈夫ですか!?」
ルナ「なんとか………」
心配そうにルナを見上げる沙耶。
その時、ふと二人の目が合う。
驚いているような、みるみる目を見開く沙耶に気付き、ルナはハッとして目を背けた。
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