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「ふふっ、ここね。」
夜月に照らされ少女は軽く笑みを浮かべた…。
~4月20日~
「ふゎぁ~、ねみぃ~。」
「ねみぃ~じゃないわよ!まったく。今日だって私が起こしに行かなかったら遅刻しそうだったくせに。」
こいつは『玖流海奈』俺のお隣さんで生まれた頃からずっと一緒にいる幼馴染だ。
「悪い悪い。俺だっていつまでも海奈に起こされてちゃいけないと思ってるんだけどな。」
「だったら少しは努力しなさい!はぁ…なんでこんな奴がお隣さんでしかも幼馴染なんだろう。」
「おいおい、そんなこというなよー。俺だって少しは…。」
「へぇ~起こしに行かなかったら昼過ぎまで寝てそうだったのに??」
海奈が不敵な笑顔で言った。
「うぅっ。」
たしかに海奈がいなかったらだいぶ俺ってやばいよな…。
「いやぁ、いつもありがとな…。」
唐突だが海奈にお礼を言ってみた。
「えっ///。べっ…別にいぃ…ゎょ...。」
「ん?どうした?」
「なっなんでもないわょ!ただ…尋がいきなりお礼なんていったから珍しい事もあるんだなって思っただけっ。」
「ちょ!俺だってお礼くらいちゃんと言えるぞ。」
「うるさいなぁ尋は。」
海奈は手元の時計を見ながらそう言った。その刹那。
「あっ!もうこんな時間!!まったく尋とろくでもない会話してたらこんな時間になっちゃったじゃない。」
そういって海奈は走りだした。
「おっ、おい。ちょっとまってくれよー!」
そのあとを少し遅れながら追いかけていく。
「早くしなよー。」
少し前を行く海奈が振り返りながら言った。
「はいはい。」
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