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パニックだった頭の中を整理。
分からないことだらけなのに、もう朝が来てしまった。
部屋を出る前から心臓がドキドキと騒いでいる。
駅までの道のりがいつもより短いように感じる。
3番線のホームに降りて行くと、制服を着た彼が待ってました、と言わんばかりに満面の笑みに変わった。
「おはようございます。その…来て、くれたんですね。」
「おはようございます。あ、あの、昨日のお話なんですけど…とりあえずお友達からじゃダメですか?」
パアッと効果音が聞こえそうなくらい目を輝かせた彼。
「こちらこそ宜しくお願いします!!」
ガバァと勢い良く彼は頭を下げた。
そんな姿を見て思わずクスクスと笑みが漏れた。
「まずは、アドレス教えてくれますか?」
「っ!はいっ!!」
初夏の陽射しが2人がいるホームに降り注ぐ。
今日は暑くなりそう。
いつもの毎日が少し輝き始めた気がした。
-end-
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