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俺「・・・・・どーした??」
Hは声のトーンを下げて言った。
H「・・・・やっぱりよ、俺さ、強くなれないわ・・・
あの人と結局一言も話さなかった・・・・・」
俺はその事実を知っていたが、知らないフリをした。
俺「そっかぁ・・・最後だったのに・・・・残念だったなぁ」
急に切なくなった。
H「前にお前に言ったよな、もうあの人の事は吹っ切れたって。」
俺「ああ。聞いた。覚えてるよ」
Hの声がいきなり震えだした。
俺はどうしたんだろうと思ってHの顔を見た。
Hは両目から大粒の涙を大量に流していた。
H「わりぃ・・ウッ・・・泣くつもりじゃなかったんだけどな・・・ウグッ」
俺「いーよ。泣け泣け!!それでスッキリするなら泣きまくればいい!!」
H「俺さ・・・ウッ・・・やっぱり、全然吹っ切れてねぇわ。
諦めきれねぇんだきっと
無理やり諦めようとして本当は忘れられないのに、忘れたフリをしてただけなんだ・・・・」
Hは俺だけに本当の事を話してくれた。
Hはまだ、アカネさんの事をまだ好きでいた。
2ヶ月前のあの日、Hは俺に強がりを見せた。
好きな人なんて簡単に忘れられるハズがないと思っていた。
本気で人を好きになったことの無い俺でも分かっていた。
案の定、Hは心の中にその想いを伏せていたのだ。
本当はフられた時に泣きたかっただろう。
自分の気持ちを隠すことがどんなにツラかっただろうか・・・・。
本当にもう最後だ。
二度と会えないかもしれないという不安と恐怖が襲ってきて
感情が一気に溢れ出てきたんだろう。
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