記憶

2/3
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
希望と夢を膨らませて澪司は、高校の門をくぐった。 憧れのあの人のいるバスケ部へ入った。 何もかもが輝いていた。 高校1年の夏の大会、澪司は1年生で唯一ベンチ入りしていた。 そして、試合にも出た。 しかし、その試合で澪司は自分の足に違和感を感じていた。 そして、季節が夏から秋に変わる頃、彼は右足を失う。 病名「骨肉腫」 切断と聞いた時から彼の頭は真っ白だった。 そして、話も聞かずに痛む足を引きずりながら澪司は走った。 気がつくと屋上まで来ていた。 「澪!!」 母親の声に振り返る。 「先生のとこ戻って話しきこう?」 「イヤだ」 「気持ちは、わかるけど」 母親が言い終わる前に澪司が言った。 「わかるかよ」 「え?」 「てめぇに俺の気持ちがわかるかよ!!俺は...俺はこれから片足なくなんだぞ、その気持ちが両足のあるあんたに分かるかよ!!」 澪司の言葉で、母親が泣き始めた。 と、同時に澪司は父親から無言で殴られた。 両親が屋上からいなくなる。 すると、後ろから話しかけられた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!