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「はぁ..はぁ..はぁ..」
人にぶつかりそうになるのも気にせずに、希美は走っていた。
屋上まで一気に駆け上がった。そして、思いっきり叫んだ。
「うぁぁぁぁ!!」
「な、なんだよお前、ビックリすんだろ」
車椅子に乗った若い同い年ぐらいの男が言った。
誰もいないと思っていた希美は、自分の顔が赤くなっていくのがわかった。
「あんたこそ何やってんのよ、こんなとこでつーか誰?」
「メシ食ってんだよ、てゆーかまず、お前が名乗れ」
「希美」とボソッと言った。
「オレは澪司」
なんかテンション高いなと希美は思った。
今の希美にとっては1番会いたくないタイプの人間だった。
「お前アレだろ、なんか宣告されたんだろ。しかも治らない感じの」
希美は、ドキッとした。
「あんたには関係ないでしょ」
「まぁそりゃそうだ」
なんなんだよと希美は思った。
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