―穴―

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    ―穴―

私は何故かウサギに担がれていた… そう 先程掠われたのだ 『っ…離せ!!』 ウサギは振り返り 『目がさめたねアリス 僕達は君を待っていた』 待っていた? 待っていたなら掠う事はないだろう 『ゆっ…誘拐でしょ!! いいからとにかく帰してょ!!』 ヤレヤレといった感じで私をいきなり床に落とした                 ドサッ                    『痛っ…てて… ちょっと… いきなり離す?』 そこで私はそのウサギを見上げた        見上げた…?     いやでも確かに見上げたのだ ただし人間のような 耳を生やしたウサギだと思う奴を 顔立ちは普通にカッコイイ青年… でもマジで怖い!! 身体中から殺気のようなものを感じる 『少し静にして下さいょ 耳元で騒がれたら煩い…』     私が何かを言うよりも早く 『君はこのワンダーランドで やらねばならない事がある…』 『やらなきゃいけないこと…?』      そう…と白うさぎが言うと そこには無かったはずの穴がぽっかりあいていた…      やな予感…は的中した… 白ウサギは私の肩を押し…… 真っ逆さまに私は落ちた………… 『いやぁぁぁ~ーー!!!!!!』 その後を白ウサギがピョンと入り私と並ぶ… 『そんなに興奮して 楽しんでるね…』     『何処をどうやったら楽しそうに見えるのよ!!』 白ウサギを殴りたくなった… おもいっきり… 『怒ってはだめだ…アイツが来る…』 ………アイツ? まだ知らなくていい… 白ウサギは始めて 悪意も持たない普通の微笑みを私に向けた… 白ウサギの精一杯の…優しさなのかも…                                私は知らない… 知らなくて良いはずが… 知らなくて… は…いけない… そんな気を起こされた そうこれから私が立ち向かう白ウサギの言った ワンダーランド…… 早く帰りたいがまだ 無理なようだ…
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